チョコレートを扱うお店を巡るようになってからよく聞く単語にクーベルチュールという言葉があるんです。
これ、何のことなんか知ってますか?
僕の場合クーベルチュールという言葉を聞くようになったとき、「何かよくわからないけど、高級チョコレートの材料の一種かな?」程度にしか思ってなかったんです。
だから実際のところ何のことか僕は知りませんでし、さほど気にもしていませんでした。
でもね、チョコレート店を巡ったりするようになってから本当によく聞く言葉なんです。
あまりにも頻繁に聞くので少しばかり気になって調べてみました。
チョコレートの専門店だと
結構な確率で出てくるよ!
こんにちは。
チョコっと!管理人のくたです。
今回はチョコレートでよく聞く言葉、クーベルチュールについて。
よく聞く割には何のことかいまいちピンとこないこの言葉を調べてみました。
今回の記事はチョコレート検定という本を多く参照しています。
このチョコレート検定という本、検定のテキストという体で書いてあります。
・・・が、チョコレートに関するベーシックな知識や雑学だけでなく、チョコレート関連の有名店の紹介もしていてとても面白い本です。
単純な読み物としても悪くないですよ。
クーベルチュールとは国際基準を満たした素材用チョコレート
そもそもクーベルチュールとは何か?
という話なんですが、答えを言ってしまうと製菓用の素材チョコなんです。
ただし、クーベルチュールという名前を使うためには以下の条件が課されています。
- ココアバター31%以上
- カカオマス2.5%以上
- カカオ成分の総量が35%以上
- カカオ油脂以外の油脂が使われていないこと。
なんかもっと別な条件があって高級チョコレートの代名詞みたいな感じだと勝手に解釈してました。
素材用チョコとか言われると、なんか意外ですよね。
高級チョコレートの価格が高いのは
カカオ成分(カカオマス・カカオバター)が
市販品より多いことが理由のようです。
そしてクーベルチュールの基準を満たした状態であれば、比率や配合を変えることができるようです。
カカオマスの成分が多くなればカカオの風味や苦みが増し、カカオバターの成分が多くなればより滑らかな流動性が高いチョコになる。これによって様々な形のチョコレートが生まれるということなんですね。
これはチョコレート検定の中に
記載があった内容だよ。
クーベルチュールの意味は覆うもの、用途は仕上げ
フランス語で毛布や覆うものを意味するしているそうです。
英語にするとカバーと同様の意味があるとのこと。
その言葉の意味するところは表面の仕上げをすることができること。
キレイに仕上げることを目的としたチョコレートということなんですね。
表面がツヤツヤと輝やく「ボンボンショコラ」のようなチョコレート菓子や、チョコレートケーキなんかを作るときに利用されているようです。素材用チョコレートしては、扱いやすいように小さなコイン状やダイス状にされていることが多い。
この後実際の商品を紹介するよ!
クーベルチュールはダーク、スイート、ミルク、ホワイトの4種類
チョコレート検定によるとクーベルチュールは3種類とあります。
でも、この節のタイトルは4種類です。
さては管理人が書き間違えたか?と思われてしまいますよね。
そうじゃないんです。
確かに僕自身はチョコレート検定を最初に読んでいたので、クーベルチュールは3種類だと思っていました。
チョコレート検定に記載のクーベルチュールはダーク・ミルク・ホワイトの3種。
でも、色々調べているうちにあることに気が付きました。
ダーク・ミルク・ホワイト以外に「クーベルチュール」の名前を付けているチョコレートがあるみたいなんですよ。
そいつの名前はクーベルチュール(スイート)。
自分の頭の中に?が並びます。
おかしいな?と思って調べてみると、やはりクーベルチュールには確かにスイートというものも存在するようです。
自分の中の3種類から4種類あるというように認識を改めました。
そしてそれぞれ以下の特徴があるようです。
- ダーク:主成分はほぼカカオと砂糖のみ。カカオ分が多いと苦く、加工が難しい。
- スイート:カカオマスとカカオバター、糖分からできている。
- ミルク:スイートにさらに乳製品を含ませたチョコレート。全粉乳や脱脂粉乳を利用している。製造者によって味の違いが大きい。
- ホワイト:ココアバター31%以上で白色及び黄色。カカオ成分が35%以下。
市販品のチョコレートは別の素材を混ぜ、加工している
今更ですがクーベルチュールと市販品のチョコレートは何が違うのでしょうか?
一般的に流通している市販のチョコレート商品にクーベルチュールの記載があった覚えはありません。
これはさっきのクーベルチュールの規格に関係していると思いました。
・・・つまりそこには違いがあると。
では具体的に何が違うかを確認してみましょう。
メジャーどころの板チョコレートを用意してみることにしました。
はい、森永の板チョコレートです。
どう違うが比較してみるために買ってきました。
これをまずは一口・・・いや違います、そうじゃありません。
食べることも大事ですがその前に必要な情報はここです。
そう、中に何が入っているか記載のある原料です。
これをみれば一目瞭然ですでね。
中には混ぜ物が入っています。
チョコの種類によって違いましたが、植物油やレシチン・乳成分・香料といったおよそカカオとは無関係の成分が入っています。
つまり商品を加工するときに入れている混ぜ物が、クーベルチュールの規格から外れてしまう理由なんですね。
クーベルチュールはそのまま食べても美味しい【富澤商店で購入】
ところでクーベルチュールってそのまま食べても美味しいのでしょうか?
よくあるじゃないですか。
素材のままじゃ大して美味しくなくて、人が頑張って加工することで美味しくなる食材。
例えば渋柿とか。
渋柿って干すという加工しないと渋くて食べられたものじゃないですよね。
そんな感じで加工前提なのか?という素朴な疑問です。
だから実際に買ってきました。
購入してきたのは富澤商店。
主に製菓材料などを扱っているお店ですね。
その富澤商店ではクーベルチュールの名を冠する素材用チョコを5種類見つけました。
EXダーク・ダーク・スイート・ミルク・ホワイトの5つです。
EXダークとダークはカカオの配合量が違います。
クーベルチュールの分類としては恐らく同じダークになるのかな。
どちらにしても気になるので全部購入です。
これを食べればクーベルチュールが分かるだろうと順番に食べてみました。
感想としては下記の通り。
EXダークから下に行くほど甘くなっていきます。
全てに共通するのは、やはり素材自体が良いため当然のように美味しいこと。
どれも風味豊かなのに嫌な後味を感じたりとかは全然ありません。
ただ若干のモサッとした感じがある・・・気がする。
カカオ分の多さとか、そういったものがあるのかもしれないですね。
きっと一度湯煎などで溶かして成形すれば、このモサッと下感じは消えるんじゃないかな。
クーベルチュールと森永のチョコレートを食べ比べてみる
実際にクーベルチュールを食べてみて美味しいことは理解しました。
でも、市販されているチョコレートと並べて食べたらどう感じるだろう。
そんな別の疑問が浮かんできました。
そこでさっき買ってきた皆さんご存じ明治の板チョコです。
ブラック・ミルク・ハイミルク・ホワイトと4種類を食べ比べてみます。
比較は近い味わいであろうと予想できるもの同士をしてみることにしましょう。
- ・「EXダーク&ダーク&スイート(富澤商店)」と「ブラックチョコレート(明治)」
- ・「ミルク(富澤商店)」と「ミルクチョコレート&ハイミルクチョコレート(明治)」
- ・「ホワイト(富澤商店)」と「ホワイトチョコレート(明治)」
本当はスイートと比較できるものがあった方が良いのですが、明治のチョコレートにそれに近いものがありません。
仕方ないのでダークと一緒に比較します。
ダーク系のチョコレート比較
そんな言葉があるのかは知りませんがダーク系?の比較をしてみます。
ダーク系はカカオマスが多い分苦みが強めのチョコレート。
甘みが苦手という人には人気があるチョコレートではないでしょうか。
ですからダーク系では苦みについて言及してみます。
比較対象はEXダーク・ダーク・スイート・ブラック(明治)の4種ですが、結論としては以下の順番で苦いと感じました。
苦み:EXダーク>ダーク>ブラック(明治)>スイート
個人の感覚なので実際には違うかもしれませんが、クーベルチュールのEXダークとダークはそもそものカカオマス成分が多いため苦みを強く感じます。
逆にブラック(明治)は植物油などの成分により食べやすさも考慮して味わいを調整してあるため、苦みがやや抑えられているのではないでしょうか。
そしてスイートに関してはダークに砂糖を加えてあるものです。
その量がブラック(明治)よりも多いためスイートの方が苦みを感じづらかったのかもしれません。
ミルク系のチョコレート比較
次にミルク系のチョコレートを比較してみます。
やはりそんな言葉があるのかは分かりませんが仮のカテゴライズです。
ミルクはダークに砂糖や乳成分などを加えた状態のチョコレート。
パティシエの手が加えられた状態で、作り手によって味わいが大きく異なるチョコレートです。
ここではミルク(クーベルチュール)・ミルク(明治)・ハイミルク(明治)の3つを比較します。
ちなみにミルク系は何の比較が良いかと考えてみたところ、(多分)一番多いタイプであることから食べやすさが一番かな、という結論に至りました。
その基準で食べやすいと感じたのはこの順です。
ミルク(クーベルチュール)≧ミルク(明治)>ハイミルク(明治)
感想としてはミルクはいずれも食べやすいです。
ただ、やはりというかある意味仕方ないと思うのですがクーベルチュールの方が美味しく感じます。
素材が違うでしょうから当たり前と言えば当たり前ですね。
そしてハイミルクは乳製品と甘さが強すぎだと個人的には感じました。
食べていてどことなくキャラメルを思い起こさせる味わいです。
純粋にチョコレートが食べたいと思ったときにちょっと違う気がします。
ただ、この辺は個人の好みですね。
人によって感じ方はそれぞれじゃないかと。
ホワイトの比較
最後にホワイトの比較です。
ホワイトはカカオマス成分が少なく、その分カカオバターが多く含まれた状態のチョコレートです。
苦みはなく甘みや濃厚なコクが印象的で、他の状態のチョコレートとはちょっと立ち位置が違うチョコレートですね。
それで食べてみた感想ですが、ホワイトについてはどっちが良いというのが難しいと感じました。
クーベルチュールは豊かな風味が。
対して明治のチョコレートは乳成分の味が色濃く出ているものの調整が上手く親しみやすい味わいです。
同じホワイトでも方向性が違うと感じます。
ただし、チョコレートとして考えるならやはりクーベルチュールの方を選択するべきでしょうか。
どちらも凄く甘いですよ!
まとめ:クーベルチュールは作って良し食べて良しの高級素材のチョコレート!
今回はクーベルチュールという素材チョコに関して調べてみました。
ざっくりまとめてみるとこんな感じです。
- クーベルチュールは規格の決まった高級素材チョコ
- 規格によってダーク、スイート、ミルク、ホワイトと分類される
- 特に仕上げの用途で重宝される
- 直接食べても相応に美味しい
- 市販品はさらに食材を加え、加工している
僕自身はクーベルチュールは高級チョコ?と勝手に思い込んでいたわけですが、当たらずといえども遠からず。
それなりに近い思い込みだったという結論でした。
ただ、クーベルチュールには厳密な規格や分類があり、それがパティシエの皆さんの手によって数々のお菓子へと姿を変えているという事実を改めて知ることができました。
今回食べ比べたクーベルチュールをまとめました。
種類 | カカオ成分・配合 | 食べた感想 |
クーベルチュール(EXダーク) | 70% | 苦みが強い 好みが分かれる |
クーベルチュール(ダーク) | 50% | EXダークと比較すると甘い |
クーベルチュール(スイート) | ダーク + 糖分 | ダークより更に甘みが強いが、苦みとのバランスが良い |
クーベルチュール(ミルク) | スイート + 乳成分 | スイートに乳成分を添加し、さらに甘みが強い 作り手に良いって味わいの違いが大きい |
クーベルチュール(ホワイト) | ココアバター + 乳成分・砂糖 | 多量のココアバターのコクと甘みを感じる |
さらに明治のチョコレートと食べ比べをしてみました。
ダーク系、ミルク系、ホワイトと3つに分けて感想ですが、さすがに純粋な味わいの方はクーベルチュールに軍配が上がると感じました。
とはいえ、森永のチョコレートもダメという訳ではなく当然美味しいです。
味や食感を調整するために色々なものを入れているため、食べやすさという意味では森永のチョコレートに分があるかもしれません。
というか、値段まで考えたら明治のチョコ美味すぎると思ったよ!
きっと企業努力が凄いんだと思う。
普段美味しいとは思いつつも何気なく食べているチョコレート。
お店で食べると高いな・・・と思うこともあったけど、高いには高いなりの理由があるということを思い知りました。
今回はこれで終わりです。
また別の記事を読みに来てくださいね!
記事をお読みいただいてありがとうございました。
ところで、どうせ良いチョコを食べるならプロが作ったものを食べてみたくないですか?
正直僕自身は普段からそう感じているので、実際にチョコレート専門店利用しています。
下にその時の記事を貼っておきますので、こちらもぜひ読んでいってくれると嬉しいです。
クーベルチュールを扱った商品を置いているお店の記事です!
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